1.雨に濡れた横顔
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何となく気配はしてたけど、
やっぱり告白だった。
…毎回いろんな人に言われて笑って流しているが、
俺は別に人と付き合ったことはない。
プレイボーイとか言われるけど、別にそんな事してない。
ただ、女の子と一緒にいることが多いだけ。
だから本気で人を好きになったことなんかない。
可愛い子とか美人な子なら今まで何人も見てきた。
でもみんな中身はスカスカだった。
他人の評価を気にしていたり、自分が1番じゃないと気が済まなかったり、他人を犠牲にしていたり。
そんな女の子ばっかり見てきた俺はいつしか、女の子に心を開くことなんて、出来なくなっていた。
だから、あんな風な子は初めてだった。
誰かだけを特別扱いするわけでもなく、いつも自分を謙遜して。
惹かれていく、っていう感覚はこういうものなんだと、その時分かった。
まだ、この気持ちが「 好き 」という気持ちなのかどうかは分からない。
でも明らかに、それに近い気持ちだっていうことは間違いない。
「 ごめんね、ここまでで良い?自転車貸すから、駅の自転車置き場に置いといて 」
そう言って学校の方に戻った。
どこだろう。
まず、家はどこなんだろう。
…まだ俺は、知らないことだらけだ。
「 …あ…… 」
何回も見た、綺麗な横顔。
また、あの雨の日みたいに、しゃがみ込んでいる。
「 結子ちゃん…!」
振り向いたその子は、探していた結子ちゃんだった。
「 …仙道さん…?」
「 大丈夫…?結子ちゃん、 」
「 ?」
少し微笑んで首を傾げた結子ちゃんを見て、ようやくほっとため息をついた。