1.雨に濡れた横顔
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ザーッ…
始業式終わりだっていうのに、こんな雨。
…ふつー、始業式といったら晴れだろ。
桜が咲いてて、風が吹いたら桜が舞い落ちてくる。
そんなんだろ。
桜も強い雨に打たれてしなしなになってるし、
体育館に忘れ物をして探している間に、
人の気配なんて無くなっていた。
「 …こんなに雨が降ってたら、今日はランニング出来ないな… 」
傘を差しながら、独り言を呟いた。
「 …… 」
奥の方に、人影が見えた。
傘を差さずに、道のど真ん中にしゃがみこんでいる。
…女の子だ。
雨に濡れた横顔が、すごく綺麗だった。
きっとこの子は泣いているんだ。
「 君、大丈夫?」
「 ……仙道さん…?」
傘を差し出して近くに寄った。
陵南の制服を着ていたその子は、そう言って倒れ込んでしまった。
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