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溺愛しゅかゆづ夫婦 6


 夕焼けに追われ走り逃げる厭な夢、こちらへと手招く救いの影が、貴方の優しい声をして。



 貴女の眠りに入り込み、その悪夢からも貴女を護り続けたい。



 ミステリー小説に没頭し、ふと我に返ったとき、僕が今いるここが貴方の腕の中でよかったと、改めて思って。



 貴方の優しい声に目を覚ます。貴方のやわらかい微笑みがここにある。あれ、僕、寝ていたの。



 俺の膝の上で眠ってしまった弓弦の手から、ぱたりと本が滑り落ちて、彼女を起こしたくない俺は、それを拾うつもりがない。


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