溺愛しゅかゆづ夫婦 6
……あ。ちょっと、眠ってしまったみたいです。
起き上がろうとした朱夏は、しかし、横たわったままで固まった。ベッドと毛布の隙間。目の前。その寝顔が、あまりにも可愛らしくて。
「弓弦……」
そっと呼んだが、返事はない。彼女も朱夏と一緒に眠ってしまったようで、まだ起きる様子ではない。ほんのちいさな寝息が聴こえる。この距離でだけ。朱夏にだけ。
「……弓弦、かわいいですね。愛おしいです。俺だけの――」
ふと、こんな言葉が湧き出た。『天使』。俺だけの、天使。その名称に相応しく、弓弦は綺麗で可愛らしい。寝ている姿だけでも、朱夏をとことん魅了し、とことん癒す。
自分だけの天使を、慎重に、大切に、抱き寄せて。
ああ、俺、とっても幸せです。貴女のおかげで。
朱夏は優しく微笑み、もういちど瞼を閉じる。
起き上がろうとした朱夏は、しかし、横たわったままで固まった。ベッドと毛布の隙間。目の前。その寝顔が、あまりにも可愛らしくて。
「弓弦……」
そっと呼んだが、返事はない。彼女も朱夏と一緒に眠ってしまったようで、まだ起きる様子ではない。ほんのちいさな寝息が聴こえる。この距離でだけ。朱夏にだけ。
「……弓弦、かわいいですね。愛おしいです。俺だけの――」
ふと、こんな言葉が湧き出た。『天使』。俺だけの、天使。その名称に相応しく、弓弦は綺麗で可愛らしい。寝ている姿だけでも、朱夏をとことん魅了し、とことん癒す。
自分だけの天使を、慎重に、大切に、抱き寄せて。
ああ、俺、とっても幸せです。貴女のおかげで。
朱夏は優しく微笑み、もういちど瞼を閉じる。
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