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溺愛しゅかゆづ夫婦 6

 ふと目を覚ます、
 しんとした空気に虫の声が響いている。
 弓弦はぼんやりと眠い目をこする、
 なにをしていたんだっけ、と思考をめぐらせる。

 すぐ傍、ほんとうの目の前に、朱夏がいる。
 彼もまた眠っている。ぐっすりと心地よさそうに。
 それを眺める弓弦は思うのだ、
 べつになんだって良いか。

 時刻は早朝、四時半。
 弓弦はそろりと朱夏を抱きしめ、彼の胸のなかに甘え、
 その幸福感に微笑みながら、ゆっくり瞼を閉じた。
 愛おしい二度寝。あたたかい感情に、心が満ちる。


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