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溺愛しゅかゆづ夫婦 6

 朱夏は僕に対して心配性で過保護だ。

「ちょっと弓弦、少なすぎます。今日はもう少し頑張るって、昨日約束したでしょう?」

 ふたりで食べる晩ご飯。ハンバーグとサラダとスープ。コーンスープをちまちま飲んで満足な僕に、「せめてひとくち、いえ、さんくち!」とハンバーグのかけらを食べさせようとする朱夏。
 僕はべつに大丈夫だ。あんまり食べたいと思わないだけ。だから、

「貴方が食べて。いっぱい食べる朱夏、僕、だいすき」

 ずるいかなと思いつつ笑いかけてみると、朱夏はすんっと真剣な顔になった。「任せてください」そんな即答。

「まだまだ食べられます」
「ふふ、すごいすごい。嬉しいよ」

 嘘はひとつもついていない。僕は、朱夏の食事すがたも好き。
 なにかを食べる動作ひとつ、格好よくて凛々しくて、まるでそういう絵みたいに美しいのだ。
 心配性で過保護なところはあるけれど。
 ほころぶ口もとを隠すように、コーンスープのカップをかたむける。


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