溺愛しゅかゆづ夫婦 6
読みかけの本と物語の続き。今はそれより、貴方のことばかり。
テレビに映るホラーゲーム。とことんやり尽くすつもりで淡々とゲームを進ませる朱夏と、
彼の膝の上、はらはらどきどきホラーな雰囲気に呑まれている弓弦。
曇りの昼過ぎ、俺の愛しの弓弦は、自宅でどう過ごしているだろう。想い馳せる朱夏を、昼休憩終了のチャイムが急かす。
弓弦は少食が過ぎるので、もっとカロリーのあるものも食べて欲しいと思いつつ、キャベツをしゃくしゃくちいさく食べている姿もとても愛らしくていっそ困る。
無慈悲な龍の神さま。そんな貴方の冷たい横顔も愛おしい。そしてそれを僕が真正面から浴びることはない、一抹のさみしさ。
貴女へだけに注ぐ溺愛で、貴女をもっと俺だけに浸したい。
弓弦はわりと無愛想で、けれど俺が笑うとつられるみたいにはにかんで、その顔もたまらなく愛おしくて。
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