溺愛しゅかゆづ夫婦 5
悪夢を
どくんどくんと厭に脈打つ心臓が
そうやって咀嚼、しているようで
指さきまで音をたて
じくじく痺れ、震えても
息がつまって、くるしくても
よくみる夢だよとわらってみせるから
その僕がどんなにぶざまでも
ねえ、朱夏。僕の傍に
「――大丈夫ですよ、弓弦」
優しくて心強い、まっすぐな貴方の声、
頬をつつんでくれる手のひら。
至近距離。枯れることをしらないひまわり色の瞳。
……だいじょうぶ。
そうやって微笑む貴方は眩しい。
僕の中のわるい夢を、すべて追い払ってくれるみたいに。
貴女を震え上がらせる悪夢すら妬ましい。
ですから大丈夫、そんなもの、焼いて焦がして踏み砕きましょう。
どくんどくんと厭に脈打つ心臓が
そうやって咀嚼、しているようで
指さきまで音をたて
じくじく痺れ、震えても
息がつまって、くるしくても
よくみる夢だよとわらってみせるから
その僕がどんなにぶざまでも
ねえ、朱夏。僕の傍に
「――大丈夫ですよ、弓弦」
優しくて心強い、まっすぐな貴方の声、
頬をつつんでくれる手のひら。
至近距離。枯れることをしらないひまわり色の瞳。
……だいじょうぶ。
そうやって微笑む貴方は眩しい。
僕の中のわるい夢を、すべて追い払ってくれるみたいに。
貴女を震え上がらせる悪夢すら妬ましい。
ですから大丈夫、そんなもの、焼いて焦がして踏み砕きましょう。
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