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溺愛しゅかゆづ夫婦 5


 僕の瞳の色みたいって貴方に大切にされている苺がいよいよ腹立たしいから、食べてしまって、しらないよって嘘と罪悪感。

 貴女は嘘をつくのが本当に下手ですね、と心底愛おしいゆえの言葉を呑み、それならきっと貴女があまりにも美しいから苺も逃げてしまったんですね。



 夜が来て、眠くなって、それを不満に思うのは、僕はまだまだ貴方と他愛ない話がしたいからだ。

 そろそろ寝る時間だから貴女とベッドに横たわり、どことなく不満げな様子に笑う。明日もありますから。



 いつ眠って起きた今がいつなのか、上下左右も失うようなこの感覚の中、貴方だけは変わらずここにいてくれて、「大丈夫ですか」と僕を支えてくれる。

 貴女は糸が切れたように眠り糸を手繰るように目を覚ます。起き上がることさえつらそうな貴女を支えながら、嫉み憎しむ邪な風の熱。



 茜さす空のあの紅いひかりはすべて貴女の瞳の色彩となる。きらきら愛おしい赤。

 貴方は隙あらば僕の瞳をきれいに例えたりするけれど、僕にとっての茜空は貴方の凛々しい髪の煌めきだ。


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