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溺愛しゅかゆづ夫婦 5

 貴方と手をつないで歩く帰り道。夜空は秋の気配にうわ塗られ、夏の微熱を拭う。

 ふいに遠くでぽんと咲いた花火が、ぱらぱら、またね、と夏に手を振っていた。



 貴女は悪夢にうなされがちだ。その心に巣食う不安を、必ず拭ってみせる。少しずつ、何百年でもかけて。



 真っ昼間もすっかり秋。夏をねぎらうような涼しさが、お昼寝でもどうかと囁いてくる。

 だから僕はベッドに寝転んで、朱夏の香りに包まれて、これならすこし眠っても、さみしくないかなと。



 お風呂上がりのアイスクリームをキスで分け合ったなら、どちらが甘いのかすらふんわり曖昧で。



 弓弦の亜麻色の髪は朱夏の手と指先によって、砂糖細工より大切に乾かされていく。


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