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溺愛しゅかゆづ夫婦 5

 僕の手の甲に朱夏の手のひらが重なり、ふたりで一緒にカレンダーをめくりながら、

「今月もこれで終わりなんだな」
「そうですねえ」

 もう九月。秋になるんだね、と話す。それを寂しいと思うのは、きっと、夏は僕の大好きな貴方の名前の一部だから。

「弓弦」
「ん」

 誘われるまま、口づけを交わす。
 ぼんやりと思い直した。べつに、寂しくないか。
 貴方はこうして僕を抱きしめていてくれるのだし。


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