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溺愛しゅかゆづ夫婦 5

 食べるものなんてどうでもいいと思うのに、
 ここに朱夏がからむと僕の思考は一変して

 たとえば買っておいたメロンパン、温めたらもっと美味しいのかなとか
 メロンパンに紅茶や珈琲って合うのかなとか
 朱夏ならどっちの方を、より嬉しく思ってくれるかな、とか

 ほらこんなに僕の思考は巡る。
 貴方のせいで、貴方のおかげ。



 ほかほかのメロンパン
 薄白色がきれいなミルクティー
 こんがり焼けたベーコン

「朱夏、おいしい?」
「はい、とっても美味しいです」
「……よかった」

 ほっと胸をなでおろす弓弦を
 めちゃくちゃなほど強く抱きしめたくなって
 でも、まだ朝ですもんね、なんて
 なんでもいいから衝動を抑え込む理由を。

 今日も貴女の愛情にたっぷりあふれている食事。
 俺は本当に幸せもので、
 弓弦、貴女を心から愛しています。

 俺も貴女に愛情たっぷりのご飯を作って差し上げたいな。
 なので、今日の夕ご飯は、どうか俺に任せて。


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