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溺愛しゅかゆづ夫婦 5

 空が轟々と鳴る度に、どうしようもない不安に駆られる。
 僕はこんなに臆病だっただろうか。
 いつ居なくなってもいいと思えば、雷だって、どうでもいいはずなのに。

「大丈夫ですよ、弓弦。ほら、俺の鼓動を聞いて。格好いい心音でしょう」
「……格好いい心音ってなに」

 僕を護るみたいに抱きしめてくれる朱夏が、
 あまりにへんてこなことを言うから、つい、ちいさく笑ってしまって
 ……ああ、僕は、貴方のおかげで。怖いとか、不安だとか、ひどく心が揺れるのだ。


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