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溺愛しゅかゆづ夫婦 4

 きれいな氷。
 朱夏のきれいな手が、手馴れたみたいに自宅用かき氷機にセットして、
 がりごりがり。
 ハンドルをまわし、かき氷を作っていく。

 ふたりぶんのかき氷。
 僕はパインシロップ、朱夏はいちご。
 お互いの瞳色のかき氷を食べて、
 たまに『あーん』ってしあって。

「朱夏は神さまの力みたいなので氷とかかき氷とか作れるの?」

 ふと思いついたことを、そういえば聞いたことなかったかな、なんて。
 朱夏は龍の神さまだから、なんだかこう、色々できるのだ。魔法なのか術なのか神業なのか、よくわからないけれど。
 彼は、うーん、と首を傾げた。

「多分できなくないですけど、手作りの方が、より貴女への愛情を込められるので、したことありませんね」
「…………そう」

 できるかできないかってだけの話、じゃ、すまなかった。
 朱夏はこんなふうに、どこからでも僕をときめかせるからずるい。
 ぼわっと熱くなる顔をかき氷のつめたさで紛らわせようとしても、

「ふは、弓弦、照れちゃったんですか?」
「う、うるさい」

 今日も今日とて僕を溺愛する龍神さまには、ばればれみたいで。


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