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溺愛しゅかゆづ夫婦 4

 貴方と選んだ服を着て、靴を履いて、ぎゅっと手をつないで。
 朱夏、貴方も、僕と選んだその服。その靴。
 お気に入りなんです、って、僕の手を優しく握ってくれながら、ゆるやかに笑っている。
 もう、ずいぶん夏の終わり。晴れやかな昼間なのに、だいぶ涼しい。
 気まぐれなお出かけ。どこへいこう?

「貴女とならどこへでも行けますよ、弓弦」

 またそんなことを軽々と言って。
 ……僕も、おなじ気持ちだよ。貴方となら、どこへだって。

 でもとりあえず、隣町くらいにしておこう。


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