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溺愛しゅかゆづ夫婦 4

 彼女は本来とても面倒くさがりで無気力で悲観的だ。そして、頑固で生真面目。それらは彼女を構成する性質なのだから、俺はそれごと彼女が愛おしい。

「弓弦、眠かったら寝ていていいんですよ。朝ごはん、なにが食べたいですか?」
「うー……いい、やだ……おきる、僕がつくる」

 気だるそうに呻きながら。もぞもぞ毛布から出てくる彼女は、毎日、俺のために頑張ってくれている。俺は嬉しくて、心配で。こうも左右激しく揺れ動く気持ちすら、彼女のこと。弓弦と絡み合う愛おしい時間。

「じゃあ、一緒に作りましょう。ね」
「……うん」

 手を差し伸べ、重ねられた手のひらをそっと握る。ゆっくりベッドから抜け出せた弓弦は、本当にとても頑張っていて、偉い。

「俺のためにありがとうございます」

 そう額にキスをしたら、

「ん。僕は貴女のじまんのお嫁さんだから」

 ですって。ああ、めずらしく自信げな顔。なんてね、なんて、おどける必要はまったくない。

「ええ、貴女は最高の、俺だけの自慢の花嫁ですよ。大好きです弓弦」

 気持ちがとても高揚して、そのままぎゅううっと抱きしめたら、「ちょっと、いたいよ」と苦笑されてしまった。
 でも、貴女の指先は優しく俺の髪を撫でてくれる。


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