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溺愛しゅかゆづ夫婦 3

 ふと気づいたのだけれど。
「弓弦、ご飯にしましょうか」
 朱夏はいつも、
「弓弦、お風呂できましたよ」
 ことあるたびに、
「弓弦、そろそろ寝ましょう」
 僕を。ひょいっと、横抱きにして。
 いわゆるお姫様だっこというものを当然のようにやるし、僕もそうされることに慣れてしまっている。

 ふわふわのベッドにゆっくり下ろされる僕は、だけど、朱夏の腕から離れたくなかった。
 だって、
「弓弦? どうし……ふは、どうしてそんな、真っ赤っかなんですか」
「うるさい」
 じわじわ、照れくさくなって、気恥ずかしくて、
 ああもう笑うな。
 朱夏の頬をふにっとつまんだら、「いたいです」って、満面の笑顔。
 ちっとも痛くないくせに。


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