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溺愛しゅかゆづ夫婦 3

 ……起きたから。
 まだねむたい眼をこすりながら、朝ごはん……と起きあがる。
 なにを作ったら、朱夏は喜んでくれるかな。

「ん〜……ゆづる……」
「……ふふ」

 ベッドの上。座ってうとうとする僕の隣。
 まだ眠っている朱夏が、ふにゃふにゃ、ひとりごとみたいに僕を呼ぶ。
 さっきまで僕を抱きしめていた腕。それが、ふらふら動く。
 なんだろう、かわいいなあ、って。

「さき起きて、ご飯作ってくるから」

 そっと彼と手をつなぎ、彼の額に口づける。
 そういえば、これ、だいたいいつも、朱夏が僕にやってくれている口づけだ。
 貴方がしてくれるから、僕も、自然とこういうことが出来るようになったのかな。

「すき。朱夏」

 こっそり、ちいさな声で呟いて。
 さあ、朝ごはん。そうだな、スクランブルエッグと、ソーセージと。
 美味しく作れればいいのだけど。


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