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溺愛しゅかゆづ夫婦 3

 朝がやってくる
 寝ぼけたままベッドをおりて
 朝ごはんと朱夏のお弁当、
 起きてきた彼にくちづけられ
 僕は彼の寝癖を撫でる。
 凛々しい赤の、可愛らしい瞬間。

「行ってきます、弓弦。お昼になったら連絡します」
「うん、行ってらっしゃい。気をつけて」

 玄関先、貴方を見送ったあとのちいさな寂しさ
 きれいにからっぽのお皿を片づけ、ひと息つく
 そろそろかと息を潜めて待っている洗濯物たちをいちど通り過ぎ
 三十分だけ、そんな言い訳で、ぼふっとベッドに寝転がって

 ああまだ貴方の温もりがある
 貴方の香りが僕の頬を撫でる。


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