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溺愛しゅかゆづ夫婦 3

 彼女の兎のような真っ赤な瞳が、じいっと見つめるソファの上に、すやすやと眠る朱夏がいる。
 無防備な寝顔。健やかな寝息。いつも彼女に向かって『弓弦、愛しています』と紡ぐくちびるが、今はやわく閉ざされている。
 少し寂しくて、とても愛おしい。
 だから彼女は、彼にそっとくちづけて、

「朱夏、愛しているよ」

 いつも、どうしても照れてしまい、真っ直ぐ伝えられない想いを。
 ひだまり色の琴線で奏でる、繊細で透き通った音色を、彼だけに。


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