このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

溺愛しゅかゆづ夫婦 3

 バニーの日。うさぎ。
 そんなことを耳にして思い浮かべるのは、俺の大好きで可愛い弓弦の姿だ。
 うさぎといえば白くて赤い目で、という印象がなんとなく強い。
 そして、俺の弓弦は真っ白できれいできめ細やかな肌をしているし、俺を射止めた瞳は真っ赤な宝玉だ。
 なるほど。つまり。
 俺は白衣のポケットからスマホを取り出し、弓弦ににゃいんメッセージを送る。

『弓弦、きょうはバニーの日らしいですよ、貴女の』

 あっ。途中送信してしまった。『貴女の日ですね』と追記を……うさぎですから、とも書いた方がより伝わるかな、

『お仕事中になに考えているの。がんばって早くかえってきてくれたら、うさみみくらいはつけてあげる』

 と。俺が色々考えているあいだに、彼女からの返信がきて。

『だから、朱夏。まってるね』
「……ふふ」

 きっと、ものすごく照れた顔でメッセージを送ってくれているんだろう。
 脳裏に浮かぶ弓弦の様子。真っ白な頬がふわりと赤らむ愛おしさ。うさぎと重ねてみたけれど、もちろんうさぎよりもずっとずっとずっと弓弦が可愛い。

『はい、頑張ります。待っていてくださいね』

『うん』と律儀で愛しい返信を見届けてから、スマホをポケットに戻す。
 もう数時間。弓弦のおかげで、余裕で頑張れる。そして今日も定時即上がり、即帰宅で、俺を待ってくれている弓弦を『いい子、ありがとうございます』って抱きしめます。


30/30ページ