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溺愛しゅかゆづ夫婦編 2 (NL)

 朱夏と一緒にお出かけをして、その帰りにアイスクリームを買った。
 僕はパイナップル味。丸くて、宝石みたいなかたちのアイス。朱夏の方はイチゴ味らしい。てのひらサイズの丸いカップ。

「貴方の瞳の色みたいで」
「俺もそうですよ、貴女の瞳の色みたいなので」

 僕の瞳は赤。彼の瞳は金色。
 考えることも選んだ理由もお揃いで、やっぱり、なんて。くすくす笑い合う。


 溶けてしまったらいけないから、龍のすがたに戻った朱夏の背中にのって、僕たちの家までひとっ飛びで帰ってきた。
 手を洗ったり、ほかの買い物をしまったり、ささっとやることを片付ける。ほとんど朱夏がやってくれたけれど。本当に、いちいち格好よくて素敵な、僕だけの旦那さまがすぎる。

「さて、弓弦」
「ん」

 ふかふかのソファ。ひと足早く座っていた朱夏に手招かれるまま、彼の膝の上に腰かける。
 急いだってどうしても溶けてしまうアイスクリームだけど、思ったよりも大丈夫だった。
 朱夏の瞳の色みたいな、パイナップル味のアイス。指でつまみ、きれいだなと眺めて、食べるのはちょっと勿体ないけれど。

「ゆづる、どうしました?」

 イチゴのアイスをスプーンでもりもり食べている朱夏を見て、「ううん」と首を横に振る。笑いながら、溶けかけのアイスを口のなかにそっと転がした。
 僕の大好きな貴方の瞳、僕だけは見放題がゆるされている、から。
 口のなかで溶けてくアイスは、ほんのりと甘い。


「弓弦、あーん」
「ん……。朱夏も、あーん」

 甘くて美味しい食べさせあいっこを味わって。
 朱夏が笑って、僕も笑って。
 しあわせがいっぱいで、溶けてしまいそうだ。


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