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溺愛しゅかゆづ夫婦編 2 (NL)

 ぞっとするほど綺麗な赤い龍。
 そんな朱夏の背中に乗って、このひどい暑さを振り払うように晴れ空を泳ぐ。
 風が通り抜けているのに、まるで澄んだ川の中にいるみたいだ。
 ああ、涼しいな。けれど、少しも息苦しくない。

「弓弦、怖くないですか? 大丈夫ですからね、俺が貴女を落とすはずないですから」
「ふふ、うん。大丈夫」

 僕を心配してくれる朱夏の優しさがくすぐったくて、とても嬉しい。
 貴方がいるから怖くないよと、きらきらひかる鱗を両腕にかき集めるみたいに、大きな龍のすがたの朱夏を、せいいっぱい抱きしめる。


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