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溺愛しゅかゆづ夫婦編 2 (NL)

「大丈夫、ただの風邪だよ」

 そう言って弱々しく笑う弓弦を見て、そうですかと安心できるわけがなかった。
 ぐったりベッドに沈む彼女の手を握りながら、俺は、落ち着くことができないでいる。
 だってこんなに熱がある。こんなに苦しそうにしている。

「……貴方みたいな神さまでも、そんな顔、するんだね」

 弓弦は、つらそうな声で話す。
 明らかに無理をしていた。けれど、俺のためを思ってのことなのだとは、きちんと理解できた。

「俺、どんな顔をしていますか」

 問いかけてみる、その喉が、震えていることを自覚した。
 ああ、

「泣きそうな顔」

 大丈夫だよと笑っている。
 弓弦の細い手を両手に包み、強く、強く祈った。
 一刻も早く、弓弦の苦しみがなくなるように。早く良くなってくれますように。……ああ、ぐるぐるする。弓弦、俺だけの愛しい弓弦――。

「朱夏。大丈夫」

 貴方は僕だけには本当に優しいね。
 弓弦が俺の頬を撫で、弱々しくもきれいな指先が、そっと俺の目じりを拭った。


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