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溺愛しゅかゆづ夫婦編 (NL)

『今もう帰っています。何か欲しいものはありますか?』

 スマホ越しの朱夏の声は、とても優しかったけれど。
 ほんの少し疲れているように感じて、僕は『ああ』と思う。
 今日もお仕事、大変だったんだな。

「朱夏」
『はい、弓弦』
「ん……朱夏が、ほしい」

 だから真っ直ぐ、早く帰ってきて。なんて。
 言いながら恥ずかしくなった、けど――。

『ふっ、あはは! はい、わかりました』

 あ、笑った。声が明るくなってくれた。
 ……よかった。

「ご飯つくってあるよ」
『ありがとうございます。楽しみです』

 僕も。
 早く貴方におかえりなさいと言って、抱きしめたりとか、してあげたい。


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