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しゅかゆづ てのひら編

「弓弦、愛してます」
 眠そうでふにゃふにゃな朱夏の、とびきり甘い笑顔。

「朱夏、僕もすき」
 かああっと頬を赤らめる弓弦の、照れながらの微笑み。

 おやすみなさい、また明日。
 抱きしめあって、ふたり、ふわふわのベッドの中で。




 ゆるくふわふわに編まれる僕の髪、
「どうして朱夏は僕の髪が好きなの?」
「髪だけじゃありませんよ、貴女のすべてが愛おしいです」
 全力で返ってくる、貴方の溺愛。




「朱夏、起きて」
 俺の大好きな弓弦の声、
 ぼんやりとひらく瞼、寝ぼけ眼。
「ふふ、おはよう」
 頬にふわりのキスをしてくれる彼女を
 愛おしさあふれて、ぎゅうっとかき抱いて、
 あと五分、いえ百年だけ。
「しかたないな、五分だよ」
「んー。ふぁい」




 僕がマグカップを用意して、貴方が牛乳を暖めてくれた。
 ふたりでつくったホットミルク、ふたりぶん。




「まだ寝たくない……朱夏、ぼくまだ」
 寝渋る弓弦をよしよし抱きしめ、彼女のきれいな髪を撫で、
「大丈夫ですよ、弓弦。何も心配いりませんから。ほら、おやすみなさい」
 呂律のまわっていないくちびるに、愛していますのキスを。


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