龍神さまと花嫁ちゃん(しゅかゆづ)
ああもう、眠れない夜。
だから僕は……ちょっと悪いなと思いつつも朱夏を起こし、
「星が見たい。その……。一緒に、来てほしい。嫌なら、」
「もちろん一緒に行きますよ。弓弦」
嫌ならいいけど、と、臆病が口をつくより早く、朱夏は不思議なくらい嬉しそうに笑ってくれた。
「あまり天気は良くないね」
「そうですね……ちょっと俺、あそこのあたりの雲、焼いてみます。そうしたら」
「そこまでしなくていい」
朱夏とふたり。本殿の屋根の上に座って。といっても、僕はいつもと変わらず朱夏の膝の上、腕の中。僕だけの、心地いい居場所。
あいにく曇りで星は見れず。でも、それだって愛しい思い出になるから。なんだか物騒な力技でいこうとする朱夏を笑って止めて、夜空を満喫する。
朱夏が一緒にいてくれるから、眠れない夜も曇り空も、べつに悪くない。
だから僕は……ちょっと悪いなと思いつつも朱夏を起こし、
「星が見たい。その……。一緒に、来てほしい。嫌なら、」
「もちろん一緒に行きますよ。弓弦」
嫌ならいいけど、と、臆病が口をつくより早く、朱夏は不思議なくらい嬉しそうに笑ってくれた。
「あまり天気は良くないね」
「そうですね……ちょっと俺、あそこのあたりの雲、焼いてみます。そうしたら」
「そこまでしなくていい」
朱夏とふたり。本殿の屋根の上に座って。といっても、僕はいつもと変わらず朱夏の膝の上、腕の中。僕だけの、心地いい居場所。
あいにく曇りで星は見れず。でも、それだって愛しい思い出になるから。なんだか物騒な力技でいこうとする朱夏を笑って止めて、夜空を満喫する。
朱夏が一緒にいてくれるから、眠れない夜も曇り空も、べつに悪くない。