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龍神さまと花嫁ちゃん(しゅかゆづ)

 みなづき神社境内。最奥の本殿は龍神と花嫁の家だ。
 人間はいない。必要がない。神社も、家も、ふたりだけのものなのだから。
 夜、みなづき夫婦は本殿にて、大きなベッドに横たわる。ふわっふわの、真っ白雲も顔負けの寝心地良さ。ひろびろしているのに、隙間がないくらいに抱きしめ合う。
 龍神と花嫁は、ひとの姿でいるのが好きだ。これが、いちばん強くやわらかくのんびり、相手を愛することができる。お互いに。

「弓弦、眠れそうですか?」
「うん。大丈夫」

 朱夏は弓弦のくちびるにくちづけを落とす。弓弦は、ふわりと瞼を閉じながら、朱夏の頬をゆるりと撫でた。
 龍神と花嫁、ふたりきり。愛しいとまどろむ夜。


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