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龍神さまと花嫁ちゃん(しゅかゆづ)

 流れ星、大好きな龍と眺め見た。

「ねえ朱夏」
「はい、弓弦。星より貴女のほうが美しいです」
「そっ……そうじゃない、ありがとう、でも違う。なにかお願い事した?」
「なににですか?」

 さらっとなにか言う朱夏に頬を熱くさせてしまいながら
 きょとんとした顔を見つめる。ああ、そうか。
 この龍は僕の旦那さまで、そして龍神さまなのだから、
 星に願う必要なんてないのか。

「ああ、でも。望みはありましたよ。そして早速叶えています」

 僕はもうこの龍の花嫁として永いはずなのに、
 自分から抜け落ちない人間くささが嫌になって。
 むむっとしてしまった僕を、朱夏は抱き寄せながら、

「貴女とらぶらぶしたいなと。ね、弓弦?」

 なんて――もう。貴方って龍は。

「うん、本当だ。叶ってる」
「貴方は?」
「僕も同じ。ちょっと肌寒いから、朱夏にぎゅってしてもらいたいなとか」

 願ったというより、考えていた。
 あんな一瞬で願い事なんて出てこない。それに、
 僕の願いは朱夏が叶えてくれる。
 僕だけの格好いい旦那さまで、最強の龍神さまが。
 いつだって。今もまさに。


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