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しゅかゆづ!

 いちごとバナナがマーブルになったアイスクリームを食べる。コーンよりカップがいい。一番ちいさいサイズを頼もうとして、やっぱり二番目にちいさいものにした。まんまるなアイスが、まるでそういう月のよう。
 近くの椅子に座って、ちいさなスプーンで。ゴールデンウィーク中のデパート、思ったより人はいない。

「どうですか? 弓弦」
「ん……おいしい」
「でも、俺の特製ミルクアイスのほうが美味しいでしょう?」
「ふふ、うん」

 ひとくちふたくち。ゆっくり食べて、もういいかな。ねえ朱夏……と隣を見上げる僕。僕を見つめる朱夏の微笑み。「任せてください」そう言って、朱夏は僕からカップとスプーンを取った。よし、任せよう。そのための二番目サイズだ。
 朱夏はいちごバナナアイスをぺろりと平らげ、

「やっぱり俺のアイスの方が美味しいです」

 対抗心は、みなづき珈琲店長だから、ではなくて。なんでもかんでも僕の一番でありたがる、かわいい龍。

「帰ったらさっそく作って差し上げます」
「いや、また今度でいい」
「えっ」
「あまり食べるとお腹冷やすから」
「あっ……そうですね、そうですよね」

 これだって、いつもだったら気にかけてくれる朱夏なのに。僕の一番を主張したいあまり、ちょっとおろそかになるところも、もちろん好き。
 ちょっぴりしゅんとしてる偉大な龍神さまの、その手の甲に手のひらを重ねた。貴方の作るものが一番好きだよ、僕。


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