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しゅかゆづ!

 悪い夢見てはっと起きたのとほぼ同時。
 やわらかいくちづけがおりてきて、

「おはようございます、弓弦」

 ぎゅむっと抱きしめてもらって、それは暖かい。

「……おはよう。起きていたの?」
「貴女の夢の中にいました。一緒に起きたんですよ」

 そう、なんだ? 思えば、ちっとも苦しくない。
 悪い夢はたぶん見たけれど、どうだったかな。曖昧になってゆく。
 きっと僕は、この龍に救われて。

「貴方ってたまに獏みたい」
「獏!? いいえ弓弦、俺は龍です。あんなやつらよりよっぽど強くて格好いいですよ」
「ふふ、知ってる」

 ごめんごめん。冗談だよ。僕の愛しい旦那さま。
 格好いい龍の、ぼさぼさの寝癖を撫でた。ふはっとふたりで笑う。
 だんだん眠くなっていく貴方と僕と毛布とベッド。


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