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しゅかゆづ!

「弓弦、ゆづる行かないでください」

 ベッドと毛布に挟まれる中で起き上がろうとする弓弦を引きとめる。細すぎる身体をぎゅむっとホールドし、ちょっとも離したくない俺です。

「ちょっ、朱夏、待って……手紙見に行くだけ」
「俺とただの紙切れとどっちが大事なんですか!?」
「……貴方、龍神さまでしょう?」

 尊厳ないよと呆れられてもそんなものはどうだっていい。弓弦のためなら神の座も尊厳もなんでも棄てたっていいんです。だから行かないで、まだ俺とここで寝ていましょう? 貴女とぽかぽかしていたいんです俺は。

「もう。仕方ないな」
「弓弦!」
「はいはい、ついでに、もちろん貴方が大事だよ」
「弓弦〜〜!!」

 ああ大好きです、愛しています。諦めて俺の腕に身を委ねてくれる弓弦をめちゃくちゃに抱き込んで、すりすりすりすり。
 なくてはならない栄養、つまり俺だけの弓弦。


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