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溺愛短歌詩集

梅雨前の燦々と空晴れやかな
夏にくらむを愛しく思う

まどろみは真昼のしずかゆらゆらと
睡の葉ふたつ夢水面

チューリップ 貴女が微笑う そのたびに
赤々と揺れ 咲き誇る花

ふと空を仰ぐ貴女の横顔が
まぼろしじみて腕にとらえる

抱擁はあまりに強く震えていて
どうしたの朱夏と息をのむ

今月も朱夏と手を取りカレンダー捲り
「五月も一緒によろしくね」って

月末の恒例行事いとおしく
微笑む弓弦のくちびるにキス


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