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みなづき珈琲(仮)

 今日は大雨。だるい天気だ。
 愛しい弓弦は俺の腕の中、毛布にうもれて本を読んでいる。
 珈琲店のほうは、ちいさな龍もどきが開店準備しておくとか、どうとか、あったかもしれないが、あまり興味がなくて覚えていない。
 弓弦はたまたま知らない話だろう。そうじゃなければ、たぶん、こんなにのんびりしていない。真面目でかわいい妻。
 あえて言わないのは、俺が彼女とのんびりしていたいから。

「弓弦」
「んー?」
「おひる、パンケーキでいいですか?」
「ん……うん」

 ぺらり。本をめくる音。
 早く俺だけを見てほしいと思いつつ、弓弦を抱きしめる。この、いつもの幸せ。


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