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みなづき珈琲(仮)

 雨音、頭痛、不安。
 心細くて息苦しくて指先が震えてしまう。

「弓弦」

 僕には、貴方がいるのに。それなのに。
 朱夏。僕はいつもこんなのばかりで、
 体も心も崩してばっかりで、
 ……ごめん。失格だ。僕は、貴方の妻に相応しくない。
 強くて格好よくて優しい龍神様。
 僕なんか、

「大丈夫ですよ、弓弦。体がつらいんですね。さすって差し上げますから、ね」

 朱夏の優しい指先。手のひら。声。
 抱きしめてくれる腕と、背中をさすってくれることと。

「目を閉じて。休んでください」

 今日も貴方に赦される。


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