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みなづき珈琲(仮)

 くもり空の気だるい午前を朱夏の声が甘やかす。

「弓弦、ゆっくりしちゃいましょう。今日はだるい天気ですし」
「でも」

 お店を開けないと。お客さんが来るかもしれない。……僕たちのお店は特殊? だから、来ないかもしれないけれど。
 なんて、ぐたぐたと、

「大丈夫。最悪、あの龍もどきがなんとかします」
「チマ……ごめん」

 丸投げだ。
 ちっとも気にしていない、さすがというべき龍神様に、ぎゅうっと抱きしめられる。背中や頭をなでてもらって、心地よくて。

「貴女、結構具合悪いでしょう。無理しちゃだめです」

 ああ、ばれている。敵わないな。それじゃあもう、ぐたぐた考えるのをやめて、貴方の腕の中で甘えきってしまっていいのかなあ。
 貴方は嬉しそうに笑うんだろうな。
 そんなベッドの中。


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