みなづき珈琲(仮)
寝静まったみなづき朱夏と弓弦。抱きしめ合う仲良しふたりを、寝室の窓の向こう、夜空から落ちてきた星のかけらが覗いていた。
しゃらんと光って、すぐに消えて。その星は、まるで、こんぺいとうのひとつぶ。跡形もなくなっていく今、走馬灯のかわりに、幸せなふたりを見て微笑むのだ。
――いつか。もしも自分が、彼らのように……龍でもヒトでもいいけれど、確かな『生』を歩める何かに生まれ変われたなら。
自分も、誰かと穏やかに眠りたい。あの、みなづき夫婦のように。愛する相手がいて、安心して、明日へ進んで。
きらきらと、それこそ星のような日々を過ごしてみたい。
いつか、きっと。
真夜中がその大きな指先で、星のかけらを潰してしまう。そこには跡形すらないが、唯一。闇が星を看取っていた。最期、憧れにきらきら唄っていた星のことを、その闇だけは憶えている。
しゃらんと光って、すぐに消えて。その星は、まるで、こんぺいとうのひとつぶ。跡形もなくなっていく今、走馬灯のかわりに、幸せなふたりを見て微笑むのだ。
――いつか。もしも自分が、彼らのように……龍でもヒトでもいいけれど、確かな『生』を歩める何かに生まれ変われたなら。
自分も、誰かと穏やかに眠りたい。あの、みなづき夫婦のように。愛する相手がいて、安心して、明日へ進んで。
きらきらと、それこそ星のような日々を過ごしてみたい。
いつか、きっと。
真夜中がその大きな指先で、星のかけらを潰してしまう。そこには跡形すらないが、唯一。闇が星を看取っていた。最期、憧れにきらきら唄っていた星のことを、その闇だけは憶えている。