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溺愛しゅかゆづ夫婦 12

喰らいたい愛し貴女をこの欲を頬撫でる手がそっとおさめる


「でも」と、弓弦は微笑んだ。
 なんて美しい姿だろう。可愛いあまりに喰らってしまいたいだなんて、きっと龍の眼をぎろりとさせた俺に、弓弦は怯まない。
「貴方になら、いいんだ。朱夏。僕のこと、たべてみる?」
 どうせ死にはしないんだし、なんて――ああ、そんなことを言わないで。
 せつなくなって、なおさら愛おしさが増して、欲のまま喰らいつくかわりに、そのひとを力いっぱい抱きすくめた。
 大切にしたい。何よりも、大切にしたいんです。


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