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溺愛しゅかゆづ夫婦 12

 ぼんやり眠そうにソファに座っている弓弦が、いつもの癖で、くちびるを噛んだり、そのささくれを捲ったりしていた。
 かわいくて可憐で、俺の大切なくちびる。悪い子ですねえって、そっと彼女の手首を掴む。

「……あ……朱夏、ちがっんん」

 はっと気づいたらしい弓弦の言い訳も聞いてあげたいところ。けれど、それは今じゃない。傷ついてしまったくちびるにキスをし、深々と息を捕らえて、しばらくは離さない。


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