溺愛しゅかゆづ夫婦 12

窓硝子雨ざらしにて泣いていた
いついつ止むか悲しいの空


 ……今日も酷い雨。肌寒い。ざあざあ、ごうごうと、この音が、僕はあまり好きじゃない。だから、朱夏の腕に隠れる。まるで雷を怖がる子どもだ。だけど……このあたたかい場所にいれば、次第に微睡むことができる。
「弓弦、かわいいですね」
「かわいくない」
 ふわりと微笑む朱夏の格好良さ。ずるい。でも、貴方がすき。雨音は朱夏の鼓動にかき消されていく。


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