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溺愛しゅかゆづ夫婦 11

 ねえ弓弦、今日は猫の日らしいので、たまには俺が。
 ほら。猫耳ではありませんが、枝角はありますよ。
 しっぽもこの通り。猫に比べてちょっと大きいですけれど。
「はは、朱夏、貴方は龍でしょう」
「あはは。そうです」
 貴女の笑う顔が見たくて。
 つぼにはまったらしいですね、声をおさえがちに、
 けれど無邪気に笑う貴女に、幸せな満足感。

「というわけで、弓弦」
「ん? なに、これ?」
「猫耳カチューシャと首輪と――」
 ちゃんと貴女の髪に似た、ベージュのものを用意しました。
 首輪はいつものお気に入りです。赤い輪っかに黄色の鈴。
「なんでどや顔なの」
 頬をぼわっと赤くさせ、目をふせて、呆れがちな愛しい様子。
「……仕方ないな、今日だけだから」
「あはは」
 龍の俺と、猫の貴女。


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