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溺愛しゅかゆづ夫婦 11

 弓弦の膝まくらでのんびり眠って
 目覚めたら彼女の微笑みがありました。
「よく寝れた? 朱夏」
 こちらを覗き込む赤い瞳は宝玉、
 真白い肌がきらめくのをスノードロップの花に想って
 風にまどろむように亜麻色の髪が揺らいだら、
 ……ああ。弓弦、貴女は――
「朱夏? わふ」
「弓弦、愛しています」
 さびれた池の水面を眺め、
 幾千年と無為にただようだけだった俺の、
 腕の中に落ちてきてくれた希望です。
 淡々と冷えた孤独を慰める、俺だけのひと。
「また唐突だね。僕も貴方が好き」
 抱きしめて、抱きしめ返してもらえる、この、生きる喜び。


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