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溺愛しゅかゆづ夫婦 11

春きたるかのようにふわりあたたかく
貴方の腕にのんびり揺られ
どうしようもないくらい眠たくなって
「起こしてあげますから」
「ん……ぜったいだよ」
「はい、任せてください」
朱夏がそう言って僕の髪を撫でた
だからちょっとだけおひるね


「すみません、弓弦」
「……」
起きたら、夜
日が高いうちに起こしてくれる約束だったのに
朱夏のばか
「貴女の寝顔があまりに愛おしくて。眺めていたら……」
「……むー」
むくれてもすねても
朱夏がそんなふうに言って、
そんなふうにしゅんとされたら
いつもこうなのに許してしまう
「夜ごはん、今からだからね」
「俺が作ります。貴女は」
「僕も手伝いたい」
はい、と嬉しそうに笑う朱夏がいて
すっかりむくれるのを忘れてしまった僕もいる。


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