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溺愛しゅかゆづ夫婦 10

 人間どもは醜く煩い。
 永く龍神池で微睡んでいた過去も、こうして人に化けて生活する今も、その印象は変わらない。
 俺は弓弦以外のすべてが嫌いだ。

「朱夏、お疲れさま」
「はい。ありがとうございます」
 疲れた今日は寝転ぶ弓弦の胸に甘え、抱きつき、彼女の美しい指先に髪を撫でてもらい、
 ああこのぺたりんな胸もとに細すぎる身体。心配で、愛おしく、やっぱり心配だからもっといろいろ食べてほしい。
 弓弦の存在が、このたったひとり愛しい俺だけの花嫁が、俺の心身を癒し浄化していく。


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