溺愛しゅかゆづ夫婦 9
照明も暖房もつけず毛布の中
朱夏の体温とてもあたたかい
めずらしい なんだか良い夢 貴方がいる
ぎゅうっと抱かれて あれ夢じゃない
くちゅんっとかわいいくしゃみに目を細め
同時に風邪の心配をする
真夜中にひみつのはなし声ひそめ
ねむくなるまで貴女と微笑い
暖房つけることなくくっつくのは
ひたすら貴女を抱きしめたいから
今年はどんな年だったのか、と
聞かれるたびにすぐさま答える
「俺の弓弦が愛おしい一年でした」
あれ、僕、何していたんだっけと
そんな感じで目が覚めた
やわらかい毛布とあたたかい腕に包まれ
朱夏の微笑みがすぐそこにあって
ほっとしながら、彼の胸もとに顔を埋めて甘える
朱夏はなんにでも対抗心を燃やす
部屋をぽかぽかにしてくれる暖房にすら
「俺の方があったかいですよ、弓弦」なんて
ぴっと暖房を切ってしまい、僕を抱きすくめ
朱夏の体温ひろがる毛布の中は、確かにとても暖かくて