溺愛しゅかゆづ夫婦 8
目がさめる うとうとねむい 午前五時
よりつられるは、貴方の寝息
(そろそろ起きて朱夏のお弁当をつくったり朝ごはんを作ったり、今日も頑張ろうと思ったけれど、ふわっとまぶたを開いた美しい朱夏が、「ゆづる、きょうはおやすみですよ」と。僕を愛おしげに抱きしめて、すぐさま寝息をたてた。……あ、そうか、今日は休日か。それじゃあ僕も、二度寝しようかな。貴方の腕の中で。)
貴方なら やすやす取れる 棚の上
つま先立っても届かない僕
(僕と朱夏の身長差、30センチメートル。いやいやこれは僕が低いんじゃなくて朱夏が高すぎるだけ。まったくこの龍神さまは、顔も良ければスタイルも良く、そのうえ高身長――
「どうぞ、弓弦。……どうしました?」
「ううん、なんでもないありがとう。ずるい」
「えっ」と、彼はきょとん。僕はわざとらしく顔をそむけた。べつに、うらやましくなんか。ないし。)
おはようを 貴方とくちづけ ぬくいあさ
なにを食べよう おなかはすいた?
(ホットケーキつくる? ふふ、じゃあ一緒につくろう。朱夏はふかふかにつくるのが上手いけれど、僕だって、ふっくらきれいに焼いてみせるから。)
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