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溺愛しゅかゆづ夫婦 8


貴女は憂うつそうにため息をつく
静かな夜に 眠れずに

 弓弦。それなら、しりとりでもしましょうか。大丈夫、俺としりとりをしたら、貴女はきっと安心して、ゆっくり眠れますよ。では、俺からですね。弓弦、愛しています――あはは、ほら、貴女の番ですよ。



しりとりを 眠れぬ夜に ささやき声で

 朱夏は、『す』を僕に渡した。さっきから、ずっとそう。この龍は、しりとりまでも上手い。本当に腹が立つ――かっこいい、けれど。それより、『す』から始まる言葉のことだ。僕にはもう、ひとつくらいしか浮かばない。朱夏はそれをわかっている、望んでいる。ふわふわ微笑む顔を、きゅっとつねってやりたくなった。
「すき」
「キス、します? あっ待っゆづる、いたたた」
 ドヤ顔の朱夏の頬を、むんずとつねる。



寝れなくて 朱夏の提案 しりとりを しだいにうとうと 貴方とねむる


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