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溺愛しゅかゆづ夫婦 7

 かわいらしいデフォルメの龍が描かれた卓上カレンダー。それがまたひとつ、ぱらりと捲られる。九月から十月へ。着実に冬へ向かう秋。

 カレンダーを捲るときは、ふたりで。朱夏と弓弦は、いつも通り、寄り添っている。暫く無言で十月のカレンダーを見つめ、ふいに名前を呼びあっては視線を絡ませ、

「今月もよろしくね、朱夏」
「もちろんです。こちらこそ、よろしくお願いしますね、弓弦」

 ふたり――水無月夫婦の、毎月の恒例。ふわりと笑い合い、ひどく嬉しくなって、たまらなく愛おしくなって。

 背伸びをし、腕をからめたのは、めずらしくも弓弦から。
 弓弦をむぎゅっと抱きしめる朱夏の、花びらにさずけるような口づけ。
 くすくす、穏やかな笑い声が重なる、十月はじめの夜。


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