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溺愛しゅかゆづ夫婦 7

 朱夏は、寝起きが良い方だ。だから少し珍しい。今日の朱夏は、弓弦がそっと揺り起こしても、「朝ごはんできたよ」と言っても、なかなか起き上がれずいるようだった。

「具合わるい?」
「いえ、元気です。……弓弦の手作りごはん、弓弦の手作りごはん、弓弦の」
「おはようのちゅもあるよ」

 言ってすぐ照れくさくなり、慌てて言葉をつぎ足す。えっと、もちろん、貴方が欲しいなら――。
 がばっ。そんな勢い。朱夏は身を起こし、

「よし、起きられました。弓弦、貴女の朝ごはん。それと、おはようのキス。俺、えらいでしょう?」
「……ふふ。はいはい、えらいえらい」

 朱夏の瞳は、期待にきらきら輝いている。
 弓弦はそっと朱夏の頬に触れた。ベッドに乗り上げ、彼の無垢な微笑みを、手のひらで包み込む。
 ――おはよう、朱夏。


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