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溺愛しゅかゆづ夫婦 7

 何気なく聴いた音楽が、ずっと頭の中に残っている。そりゃあ、まあ、素敵な曲だなあとか思った気もするが、一部を延々とリピートされても。困ってしまう。

「なるほど、では弓弦、俺とキスしましょう」
「へ?」
「鬱陶しいことなんて、すぐに忘れられますよ」

 僕を心配してくれた朱夏が提案する。不敵に、どことなくいたずらっぽい顔で。ふわりと僕を抱きしめ、僕が頷いてしまうのを待っている。
 ずるい。……、あ。
 ほんとうだ、僕、いま、朱夏のことしか頭にない。


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